The Blue Envelope #37
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衆院選所感
今回の衆院選は、おそらく人生で投票してきた中で一番結果がどうなるか予想できない。せっかくの機会なので、回答が出てからの後出しではなく、選挙前に個人的なメモを書いておく。後出しではどうとでもいえるので、己の考えの浅はかさを事前に提示しておきたい。興味あることしか書いていないし、素人の与太話なので話半分でお願いします。
構図
公明党が企業・団体献金の規制強化で折り合えず連立離脱し、立憲と新党「中道改革連合」を結成。政治の構図が激変しているが、この手の話にはあまり興味が持てないので割愛する。
大枠
シンプルに考えると、自分のスタンスは大枠2つにまとめられる気がしている。
A.人が減っていくので、経済がしょんぼりしていくのは 受け入れる
しょんぼりを効率化でマシにすべきである。
B. 労働者が少しでもすこやかに能力を発揮できる社会であるべきである
現状資本側が有利すぎるので、労働者側への分配機能を増やすべき
社会制度を極力シンプルにして、いらん作業を減らし、健康的な労働時間を確保すべき
A.効率化
しょんぼりを効率化でマシにすべき、という観点でチームみらい的なアプローチへの期待はそれなりにある。効率化のみが目的であるから、どこが政権取ってもいいように、イデオロギーが明確になりそうなこと(夫婦別姓など)へのスタンスを意図的に有耶無耶にしていて、前回の選挙ではそこが気になったが、最近は折衷とはそういうもんであろうという気持ちになった。明確にしなければ自民党とも仕事ができる。しょんぼりを受け入れるにはテックの力は必須である。
B.分配
資本-労働の2軸でもっと労働側に金を持ってこようという社民主義っぽい分配観を持っている。端的にいうと大企業と金持ちにもっと課税すべきだと考えている。ここの分配に対してのイデオロギーの背景がふにゃふにゃしているせいで、チームみらいの全てを支持することはできない。戦略的ふにゃふにゃであろうが、明確に示したとしても自分のそれとは合わなさそうである。が、現時点でテックライト呼ばわりするのはあまりにも酷であろう。
消費税減税
食料品だけゼロ(2年):自民・維新
食料品だけゼロ(恒久):中道改革連合
一律5%:国民民主・共産(共産は「当面5%、将来廃止」)
廃止(即時/段階的):れいわ(即時)、参政(段階的)
一律0%:社民
減税しない:チームみらい
チームみらい以外は消費税の減税を主張している。Aのコンセプトに則って考えると、税制を極力シンプルに、すなわち条件分岐の類をとにかくなくすべきであると考えているので、”食料品限定で”などの主張は考えに合わない。イートインと持ち帰りで税が異なるみたいな話をこれ以上増やしてはならない。減税対象を消費税にするかどうかの議論はさておき、やるなら一律であるべきであろう。
消費税減税を主張しないチームみらいは、その代わりに社保負担軽減+医療の自己負担(原則3割)を掲げる。自分は単純に制度のシンプル化と言う理由で全員3割(数字はなんでもいいが一律)でいいと思っている。金のない老人の医療は生活保護や高額医療費上限で対応すべきであるという考えで、これを姨捨山などと言われるともうどうしようもない。
中道が財源として主張するジャパンファンド(政府資産をまとめて運用し、運用益を恒久財源に)も賛成できない。GPIFもあるが、リターンを使途として見込む恒久財源は年金のようにはいかないだろう。政府という巨大な投資家が市場で振る舞うなんて、どう考えてもインチキの温床であり、必ずロクでもないことが起こる。それを織り込み済みで、なおやるというのならもう仕方がない。
高額療養費の限度額のことなど考えたこともなかったが、姉が脳梗塞になって以来その制度の素晴らしさを痛感している。なかったらどうなっていたことか。高額療養費の限度額は本当の最後の砦であり、これ以上緩めてはいけないと感じている。
経済
選挙で勝てなくなるので、縮小を前提とした議論はほぼされない。しかしながら、この期に及んで右肩上がりの幻想など見せないでほしいとは思う。そうなると効率化か分配の話になる。
与党はGDP1000兆円目標の成長志向、成長→賃上げの論理は自分の考えに合わない。参政も同じような感じである。トランプはアメリカが再びグレートになる夢を見させて支持を得たが、自分はそこでいうようなグレートさを目指すことには反対である。共産・れいわ・中道・国民民主は再分配寄りの主張、みらいは効率化寄りの主張。維新も効率化を掲げているが、彼らの目的はあくまで強い経済、要するに成長目的であるから自分には合わない。
とにかく、労働者が働きたくなるような気分になるような制度が必要である。103万円の壁撤廃等の議論はその最たるものである。大学でも、やよい軒が1000円超え、最低賃金も1000円を超えているこのご時世に、扶養を外れないように働き控える学生を見ていると涙が出そうになる。いわゆる「年収の壁」は税と社保で複数あり、税制改正・適用拡大で状況が動いているので大変なのは承知である。中身はなんでもいいが、どのレイヤーの層ももっと働きたくなるようなシステムが必要である。
A,B双方の理由でチームみらいが提案しているような税率関数化のコンセプトには賛同する。税率が階段から坂道になることはどうでもよく、とにかく条件分岐をなくしてシンプルにし、総コストを下げたいというのが自分の考えである。低所得層の手取りを数学的に最大化するための定量的な検討も可能になる。とはいえ社会保険との統合や、一般人からすると訳のわからない関数で税金が決まることへ国民の理解を得ることの難しさは想像を遥かに超える気がする。おそらく実現の可能性は極めて低いだろう。
人手不足(中小企業、地方、移民/労働市場)
与党はそもそも成長を前提としたモデルなので賛同できない。移民をじゃんじゃか入れないと無理そうであるし、実際問題、厳格な管理下での労働力の補填を謳っている。一方でそれは他国に喧嘩を売りまくる現政権のスタンスとあっているとは感じられない。維新は労働市場の流動化(解雇の金銭解決など)を推し進めるため、自分の考えのB「すこやかに」とは逆の自己責任・競争の空気が強いので賛同できない。価格転嫁/社保負担/分配ルールで中小と現場を厚く見る中道、共産、社民らへんを支持せざるを得ない。
まあ結局全体をしょんぼりさせた後に、いるやつがなるべく頑張る仕組みを増やしてほしい。生活保護を抜けたくなるような、バイトをたくさんしたくなるような、正社員になりたくなるような、引退したくないような仕組みが必要である。FIRE的な価値観は否定はしないが、それが進んで労働はカスで、資本側に回るのがアガリみたいな世界は理屈以前に感情的に受け入れられない。なるべくみんな働いた方が社会としてよいと思う。だからこそ働き方をすこやかにしてほしい。
移民抑制を前面に出す参政党には全く賛同はできないが、排外主義的なものがここまで支持を得てしまう現状、積極的に移民を受け入れていく道が歩めるとも思えない。
憲法など
自民党の憲法議論は全体的に意味が分かっていない。
例えば、草稿には現行憲法97条の「基本的人権の本質」についての規定の削除が入っているが、その根拠は11条と内容的に重複しているため、とのことである。11条と97条の重複を文章整理のためだけに解消する」なら、実務的メリットはかなり小さく、憲法改正(国会発議+国民投票)というコストに合わなさすぎるので、なんらかの憲法観に則っている訳であるが、97条の内容なんてなんぼあってもええやろうとしか思わない。
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
97条削除は国会の議論でも最高法規性・立憲主義の象徴としての意味が論点になっている。こんなど真ん中の原理を再宣言することになんの問題があるのか皆目検討もつかない。そんなんばっかで理解できないため、現状では反対するしかない。おれが何か重要な情報を見落としているかもしれない。
まとめ
人口減→経済縮小は不可避であるとして、自分の政治観は、脱成長的な現実認識と社民主義っぽい分配観で大体説明できる。
制度を複雑にするもの全てに賛同できない
労働者のすこやかさを全てにおいて優先すべき
テックでの効率化はひとまず応援する
間違いもあると思うので別に参考にしてほしいとは思いませんが、ネットにはだいたいニュース的な客観的な解説か、短文での個人の主義主張ばっかで、長文での非匿名個人の政治長文ってあんまないよなーと思って書いた。合わない人はすんません。そんでここまで書いたにもかかわらず、まだ投票先が決まりまへん。決まったとしてもネットには書きませんが。


